薄毛(うす毛)の悩みは男女を問わずあり、特に男性では大半の人が年齢と共に薄毛が進行する事もあり昔から研究が進んでおります。特に医療での薄毛治療は男性向けでは一定の成果を出せております。ですが、これに対して女性向けには選択肢が少ない状況なようです。
ここで女性向け薄毛治療に話題となる製品名:パントガール(pantogar)という製品があります。
これはクリニックでも販売されており色々と問題がありそうです。
パントガールがクリニックで「薬として販売」されている?
まず大前提としてパントガールは医薬品ではありません。
ですが、幾つかのクリニックではパントガールは薄毛治療薬などの「薬として処方」されていたりします。
重要な点は以下でも詳しく説明しますが、パントガールはサプリメントや食品などの位置づけです。ですが、問題点としては、あたかも効果がある医薬品のように医師が販売をしている点です。
薄毛に悩んだ女性がクリニックの医師が薄毛治療薬として処方すれば、本当に効果がある医薬品として誤解される人は少なくないはずです。元々、安価なサプリメントを薬として高額販売しているのは、医師としての倫理観や良心が無いのかと心配になってしまいます。
女性向けの薄毛の分野では効果がある承認されている医薬品がないので、このようなサプリメント商品がクリニックでも販売されているんでしょうね。

医師免許を持つ医師がドラッグストアでも購入できる成分のサプリメント商品を「薬として販売」「診察が必要」などとして高額で医薬品のように効果があるとして販売されているのもを医師として資質を疑いますね。
パントガールが女性の薄毛治療に使えない理由

パントガールの商品説明では有効とされる女性薄毛の症状としては「びまん性脱毛症」との事です。
【パントガールの適応症】■女性のびまん性脱毛
■毛髪構造の退行性変化
・細くなった髪
・弾力のない髪
・もろくなった髪
・くすんだ色の髪
・紫外線によってダメージを受けた髪
女性の薄毛としての「びまん性脱毛症」とは髪全体のボリュームが失われる薄毛の一つです。つまり、A発毛力が弱まり、抜け毛が増加も増加している状態です。
ですが、上記のようにパントガールの期待できる効能としては「髪の毛の質」だけでは無いでしょうか。
パントガールの有効成分は以下の通りです。特別な成分というわけではありません。
全てドラッグストアーで入手ができる成分であり、医師の処方箋がなければ入手ができない成分は配合されいなのが見て取れます。
パントガールの有効成分(1カプセル中) | 期待される効能 |
---|---|
ビタミンB1(60mg) | 水溶性ビタミンでエネルギー代謝を補助する。 |
パントテン酸カルシウム(60mg) | エネルギー代謝を補助する |
薬用酵母(100mg) | ビール酵母(胃腸の消化機能を助ける乳酸菌や善玉菌を増やす働きがあります。) |
L-シスチン(20mg) | イオウを含んだアミノ酸の一種で体内で生成される。髪などの存在する成分。 |
ケラチン(20mg) | 毛髪の薬85%がケラチンで構成されている。 髪の毛を食べると髪の毛に良いという論理 |
パラアミノ安息香酸(20mg) | ビタミンB系に近い成分であるが、ビタミンには分類されないアミノ酸の一種。ビタミンB群として紹介されている事もある。 |
このようにパントガールの成分には、一般的な薄毛症状の「びまん性脱毛症」などに対応している医薬成分が無いのは分かります。
100歩譲って、髪の毛のパサつきや枝毛には効果があるかもしれませんね。
例えば、確かにケラチンやL-シスチンなどは髪は皮膚を構成する成ではあります。
確かに、これらが急激に欠乏をすれば髪の毛に何かしらの影響はあるかも知れませんが、普通に生活をしていれば、このような問題は起きにくはずです。
彼にあるとすれば、無理なダイエットや、又は内臓器官の異常があり必要な栄養が正しく摂取出来ないなどではないでしょうか。
このような場合はダイエットにおける食生活に見直しや、内蔵器官などの診察が先ではないでしょか。

ちなみに「パントガール」の成分は、Amazonや楽天で、それぞれ非常に安価に入手可能な一般的な栄養補助食品です。
パントガールではなく栄養は食事から

先にも述べましたように髪の毛に必要な栄養素が不足しているのであれば、食生活の改善が先では無いでしょうか。パントガールのような栄養補助食品(サプリメント)を利用しても、そもそも食生活などが問題での栄養不足であれば、薄毛より先に健康を害する危険性があります。
このような状況でパントガールのようなサプリメントを処方する医師は問題があるので、速やかに他の病院、クリニックに移る事が必要ですね。
そして、一般的に薄毛治療で重要なのは髪の毛が増えない原因が「抜ける症状」にある点です。
発毛、育毛剤で髪の毛が太く長く、艶やかになったとしても、抜ける原因が改善されていなければ、どんなに素晴らし毛髪でも容易に抜け落ちてしまうはずです。
同様にパントガールは100歩譲って髪の毛を太く長くする事があっても、「女性のびまん性脱毛症」の抜け毛の症状を改善していません。

パントガールには薄毛治療薬として承認されている成分が入っていません。
仮に、サプリメントとして多少は効果が有ったとしても、それは保証されていないですし、あっても小さな小さな効果なはずです。このような中途半端な効果に対する出費よりも、適切な治療により根本的な抜け毛の治療をする方が重要ではないでしょか。
びまん性脱毛症が起こるメカニズムとは

女性の「びまん性脱毛症」はホルモンバランスや自律神経の乱れによって発症することがあります。
また、髪の毛の成長にはタンパク質をはじめとした十分な栄養の供給が必要ですが通常の食生活をしていれば栄養不足に陥る事がないというのが一般的な見解です。
また、この栄養不足が内臓系や消化器系の異常により栄養が十分に吸収されない場合などは、パントガールなどのサプリメントではなく、内臓、消化器系の治療に力を入れるべきです。
<びまん性脱毛症の初期症状>
「びまん性脱毛症」の初期症状としては、「髪のボリュームが少なくなってきた」「分け目が目立つ」「髪がよく抜ける」「髪が細くなった」 などがあります。おそらく排水溝に詰まる髪の毛の量の変化が気づきやすいのではないでしょうか。
また髪の毛の本数だけでなく、髪の毛自体が細く弱々しくなってしまうことも、ボリュームダウンの原因となります。
抜け毛をチェックしたときに細い毛が多いという場合は、上記の理由で健康な髪の毛が育っていなかったり、育ちきる前に抜け落ちてしまっていたりする可能性もあり注意が必要です。
「びまん性脱毛症」がホルモンバランスの乱れが脱毛の原因であるかどうかを判断するために、一連の検査を行う場合があります。これらの検査には以下のようなものがあります:
- ホルモン値を測定する血液検査
- 毛根を調べる頭皮の生検
- ホルモンバランスの乱れの兆候を探すための健康診断
ホルモンバランスの乱れが確認されればホルモン回復治療が行われますが、第一にパントガールのようになサプリメントを処方されること自体は問題があります。
女性ホルモンの乱れ

美しい髪、丸みを帯びた体形など女性らしさは女性ホルモンの働きが影響しています。そして、びまん性脱毛症の主な発症原因は、加齢や閉経による女性ホルモンの乱れ(減少)です。
女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」は、髪の成長に必要なホルモンです。
特に閉経に伴い女性ホルモン激減(まったく出ないわけではない)し60歳前後には女性ホルモンは分泌されなくなります。
女性ホルモンには「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の2種類があるのですが、妊娠をするとエストロゲンの分泌が通常より増え、プロゲステロンは減少します。
エストロゲンは髪の成長を促進するため、「妊娠後期に髪のボリュームが増えた」と感じる人もいます。

女性の薄毛と女性ホルモンの関係は一番分かりやすい原因ではないでしょうか。
女性ホルモンがなければ、髪が細くなってハリやコシがなくなり、抜け毛が増えるのは仕方ありません。女性ホルモンの分泌量は30代後半から40代にかけて減少しはじめるため、びまん性脱毛症は30代後半ごろから発症しやすいとされています。
ホルモンバランスの乱れの徴候や症状に目を向けることが重要です。ホルモンバランスの乱れの一般的な兆候には、以下のようなものがあります:
- 月経周期の変化
- にきび
- 体重増加
- 疲労度
- うつ病
- 気分の落ち込み
- 不眠症
- 不規則な髪の成長
これらの症状がある場合は、ホルモンバランスの乱れが脱毛の原因になっている可能性があるため、医療機関に相談することが不可欠です。
女性ホルモンの補充療法
エストロゲンは髪や女性らしい体形と「キレイ」を作るホルモンです。そのホルモンが乱れ、現象するのは、年齢や生活習慣、ストレスなど要因は様々ですが、不足するのであれば補充するのも一つの手段です。
ホルモン補充療法として減少したエストロゲン(卵胞ホルモン)を補充しますが、通常は子宮がんを予防するために黄体ホルモンを併用的に補充されます。
*子宮が無い女性はエストロゲンのみの補充となります。
更年期障害や女性特有の不調はホルモンに起因する事があり、うまく調整できれば抜け毛も改善が期待できます。
参考:卵胞ホルモン(エストロゲン)
*プレマリン(PREMARIN)0.625mg 1箱28錠 Pfizer社│卵胞ホルモン補助製剤
参考:黄体ホルモン(プロゲステロン)
*プロゲスタン(Progestan)200mg|黄体ホルモンの補充

避妊薬の低用量ピルを飲むと薄毛の治療になるとされています。
第三世代のマーベロン、第四世代のヤーズなどは、アンドロゲン作用が弱く、抗アンドロゲン作用があることから薄毛治療に向いているとされています。
・ノベロン Novelon 1箱21錠 |マーベロン・ジェネリック
・ヤーズ(Yaz) 1箱28錠
パントガールの血行不良

ここでいう「血行不良」の改善とは、単にサウナや入浴、激辛料理を食べるなどとは異なります。この血行不良による発毛が停滞する状態は、実はあまりよくは分かっておりません。

単に血流が良い人に薄毛の人がいないのでしたら、スポーツ選手と薄毛は無縁な関係になりますね。
血行不良と髪の毛の育成の影響するのかは分かりませんが、例えば医薬品のミノキシジル(服用、外用共)の使用による血管拡張により血行促進で発毛効果がある事は、臨床試験でも確認がされ多くのクリニックや医療メーカーが薄毛治療に推奨している成分です。
このように薄毛治療における血行促進は単に血流を上げるだけで、発毛しやすい頭皮環境になる訳ではなく、このミノキシジルには血行促進だけではなく何か別の発毛要因があると考えられています。
ですが、少なくとも「パントガール」に発毛を促すようにな血行不良を改善する効能はないのは成分構成から分かるはずです。
パントガールの栄養不足

パントガールにはケラチンなどの髪の毛の材料となる成分、アミノ酸やビタミンなど体に必要な栄養素が入っております。
しかしながら、栄養成分は普通の食事で十分に補給が出来るモノです。
もし、仮に栄養不足であるならば食事に問題があるので、パントガールの服用だけではタンパク質やビタミンが不足しているはずです。
無理なダイエットなどをしてなく偏った食生活がなければ、内臓系の疾患も考慮にいれる必要もあるでしょう。
肝機能などの低下も消化系の機能を低下させます(ウルソ・ジェネリック)
ストレスや生活習慣の問題

ため込んだストレスや間違ったヘアケア、カラーやパーマなどのしすぎによる髪や頭皮への負担が、びまん性脱毛症につながることもあります。ですがそれら一時的なモノでしたら、本来は気にするほどの事はありません。
それよりも、薄毛になる根本の原因は何でしょうか?
薄毛などの症状については明らかに何かの病気を併発している、又は大きなストレスを感じているなど以外では、根本的な原因を見つける事は、現代の医学では不可能と言えるでしょう。
女性ホルモンの量は血液検査でホルモン量は確認は出来ますが、何が原因で脱毛症等の薄毛になっているのかの判断は難しいはずです。
原因が女性ホルモンが不足しているなどでしたら、対処としてホルモン剤を試してみるなどで、医学治療と補助的にサプリなどを使用するのも良いかもしれません。
可能性のありそうな方法を一つ一つ試してみる事が近道です。
・年齢と共に抜け毛が増えたなら女性ホルモン不足
・内臓に不具合を感じているようならば消化器系で受診
どちらにしても、まずは皮膚科で受診をしてみてください。
まず、「食事の改善等」の提案もない中で、薬でもない「利益率が高いパントガール」を勧める病院やクリニックとのお付き合いは見直す事をおススメいたします。
これらのは患者の事は考えずにお金儲けしか考えてないはずです。
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