健康ひろば

新型コロナウイルスのワクチン免疫が8カ月以上持続の研究報告が続々と発表される

新型コロナウイルスのワクチン免疫が8カ月以上持続の研究報告が続々と発表される

2020年1月にアメリカ国立衛生研究所(NIH)が、2021年5月にはイタリア国立衛生研究所が、新型コロナウイルスに対する免疫が長期間持続することを示す研究報告を発表しています。

新型コロナ(COVID-19)ワクチンの接種後の免疫の持続時間に対する研究はこれまでも実施されており、これまでも、以下のような報告がされてきました。

・数週間しか続かない

参照1:Prevalence of SARS-CoV-2 in Spain (ENE-COVID): a nationwide, population-based seroepidemiological study   
参照2:Spain's coronavirus antibodies study adds evidence against herd immunity 

・少なくとも8カ月は持続する

参照1:Rapid generation of durable B cell memory to SARS-CoV-2 spike and nucleocapsid proteins in COVID-19 and convalescence | Science Immunology
参照2:COVID immunity lasts at least eight months, new data reveals
参照3:Great News: Latest Research Shows Immunity to COVID-19 Lasts at Least 8 Months

・長期間持続し、変異株にも対応可能

参照1:Evolution of antibody immunity to SARS-CoV-2 | Nature
参照2:The Rockefeller University ≫ The immune system mounts a lasting defense after recovery from COVID-19

コロナワクチン免疫が長期間継続する報告

そんな中、2020年1月にアメリカ国立衛生研究所(NIH)が、2021年5月にはイタリア国立衛生研究所が、新型コロナウイルスに対する免疫が長期間持続することを示す研究報告を発表しています。

スペインで実施された新型コロナのIgG抗体の血清有病率調査では免疫が数週間から数カ月には抗体を失ったことが判明。

▶対象:6万人超
▶期間:2020年4月~5月

これに対して 抗体の迅速な産生に関わる免疫細胞である「メモリーB細胞に着目した研究が発表されました
この研究では新型コロナウイルスに感染した87人の患者に対して感染から1.3カ月後と6.2カ月後に血液検査を実施。
その結果、感染から6.2カ月後には、1.3カ月後と比べて抗体レベルが5分の1まで低下したものの、メモリーB細胞の数は減少していないことが確認されました。
さらに、メモリーB細胞が 変異株にも反応することが明らかになっております。
期待されている事は、一度免疫を獲得した人は、 新型コロナウイルスに感染しても迅速に抗体を産生できようになりそうです。

また、NIHも2021年1月に新型コロナウイルスの免疫に関する研究結果を発表。
NIHは「この調査結果は、新型コロナウイルスワクチンを接種した人々が、ワクチン接種後に長期間にわたって新型コロナウイルスに対する免疫を保つことができる可能性を示しました」と述べています。

研究内容は、COVID-19から回復した患者約50人に対して8カ月にわたる複数回の採血を行い、新型コロナウイルスに対する抗体に加えてメモリーB細胞やT細胞といった免疫細胞に着目した調査を行いました。
調査の結果、新型コロナウイルスに対する抗体レベルは、8カ月間でわずかに低下したとのこと。これに対してメモリーB細胞は時間と共に増加。さらにCOVID-19の症状発現から6カ月経過した時点で、患者の92%がヘルパーT細胞前駆細胞であるCD4+T細胞を持ち、半数の患者がキラーT細胞の前駆体であるCD8+T細胞を持ち続けていることが判明しました。
加えて、95%の患者が新型コロナウイルスへの感染から8カ月経過した時点で、新型コロナウイルスへの免疫に関わるIgA抗体・IgG抗体・メモリーB細胞・ヘルパーT細胞・キラーT細胞の5種類の免疫系のうち少なくとも3種類を持ち続けていたことも明らかになっています。

さらに、イタリア国立衛生研究所が162人のCOVID-19患者を対象にした研究論文をNature Communicationsで発表(2021年5月11日)しました。

研究チームは論文において「新型コロナウイルスの抗体は、時間の経過と共に減少するものの、8カ月以上血中に残り続ける」という結論を示しています。

また、この研究で調査対象となった患者の約57%は高血圧や糖尿病などの基礎疾患を抱えていたとのことで、研究チームは「患者の年齢や、基礎疾患の有無にかかわらず、新型コロナウイルスに対する免疫は長期間持続します」とも述べています。




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