健康ひろば

認知症の原因物質-歯周病によって蓄積する仕組みを解明

認知症の原因物質-歯周病によって蓄積する仕組みを解明

歯周病というと高齢の方へ特に肺炎、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病など様々な病気との関わりが指摘されてきてました。

このほど、歯周病菌が体内に侵入すると、認知症の原因物質が脳に蓄積して記憶障害が起きる仕組みを九州大などの研究チームが解明した。
歯周病と認知症の関連は近年注目を集めており、歯周病の予防で認知症を予防できる道筋見えてきた

認知症の7割を占めるアルツハイマー病は、脳内に「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質がたまることで神経細胞が徐々に働きを失う。


これにより認知機能が低下するとみられている。

認知症の患者は世界に5千万人、日本に600万人いて、その7割ほどがアルツハイマー型と推計されている。
アデュカヌマブは、アミロイドβを除去できる初めての新薬として期待されている。

 近年、歯周病の原因菌やその毒素が血管を通じて体内に侵入することで、アミロイドβが体内でつくられ、脳に蓄積することが解明されてきた。しかし、蓄積の仕組みは詳しく分かっていなかった。

《マウス実験結果》

マウスの細胞に歯周病の原因菌(緑)が侵入した様子をとらえた画像。

九大や北京理工大(中国)などの研究チームは、マウスの腹の内部に3週間、歯周病菌を直接投与して感染させ、正常なマウスと比較した。

その結果、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、アミロイドβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるタンパク質の数が約2倍に増え、脳細胞へのアミロイドββの蓄積量も10倍に増えた。

暗い部屋に入ると電気ショックを受けることを学ばせた記憶実験では、
・正常なマウスは5分の間、明るい部屋にとどまり続けた。
・感染マウスは約3分で暗い部屋に入ってしまい記憶力低下が裏付けられた。

一方、アミロイドβを運ぶ受容体の働きを阻害する薬剤を使えば、感染した細胞内を通るアミロイドβの量を4割減らせることも確認できたという。

チームの武洲(たけひろ)・九大准教授(脳神経科学)は「歯周病菌が、異常なたんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまうことが明らかになった。
歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性がある」と話す。


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